お米の原産地はどこ?

お米の基礎知識

世界で研究が進められている米の原産地

稲の栽培がいつ、どこで始まったかについては、世界中で研究がされています。

近年、有力とされていたのは「長江中・下流域」説です。

世界で栽培されている稲は、大きく【アジア原産のアジア稲】と【西アフリカ原産のアフリカ稲】の2種に分けられます。

アジア稲はさらに、大粒種(だいりゅうしゅ)のジャワ型(ジャパニカ)、長粒種(ちょうりゅうしゅ)のインド型(インディカ)、単粒種(たんりゅうしゅ)の日本型(ジャポニカ)に分けられます。

1980年代に「長江中・下流域」において、6000~7000年前のものとされる稲作遺跡が発見され、長江流域の河姆渡遺跡(かぼといせき)から出土した炭化米のDNAなどを調べたろころ、栽培イネとともに野生イネが発見され、またこれらの中間的な種も見つりました。

それらは共にジャポニカの遺伝子であることが明らかになり、同じ遺跡から栽培イネと野生イネが発見されたことから、稲作発祥の地と考えられ、ジャポニカに関しては長江中・下流域が有力と考えられました。

ゲノム解読による最新の学説

2012年に日本の国立遺伝学研究所や中国科学院上海生物科学研究所などの共同研究チームが、「珠江中流域(しゅこうちゅうりゅういき)」説を発表しました。

研究チームはアジア各地から収集された野生イネ446系統と、栽培イネ1083 系統の計1529系統のゲノムを解読し、それぞれの祖先関係を調査。

その結果、ジャポニカ系統、そのジャポニカ系統につながった野生イネ、またインディカ系統、インディカ系統につながった野生イネ、それらすべての生息地が同じ珠江中流域あると導きだしました。

これらのことから、珠江中流域において「倒れにくい」、「穂から籾が落ちにくい」といった特性を持つ栽培に適したイネが選び出されて、ジャポニカ系統の栽培種になったといわれています。

またインディカ系統も、各地の野生イネ系統と交配しながら、アジア各地へ広がっていったと結論づけました。

参考:[国立遺伝学研究所]インタビュー記事「第15回 イネの栽培化は、中国の珠江流域で始まった!」