世界のお米事情

お米の基礎知識

お米作りはアジアが中心?

世界のお米の生産量は年々増加しており、2015年ごろの生産量は、精米ベースで年間約4億8,000万t(トン)となっております。

最も生産量の多い国は中国の1億4,450万tで、全体の3割を占めており、2位はインドで1億480万t、3位はインドネシアで3,576万tと上位3国で6割を占めます。

気になる日本はというと、10位で781万t。

ではなぜ、アジアでお米の生産量が多いのでしょうか。それは雨が多く温暖なモンスーン気候が、稲の生育に適しているからです。

また、水田では連鎖障害(れんさしょうがい※)が起こらないため、何年も続けて栽培することができ、高い生産性を保つことができるからです。

※連鎖=毎年、同じ場所に同じ作物を栽培すること

世界のお米生産量ランキングベスト10

順位(千t)
1位中国144,500
2位インド104,800
3位インドネシア35,760
4位バングラデシュ34,500
5位ベトナム28,074
6位タイ18,750
7位ミャンマー12,600
8位フィリピン11,915
9位ブラジル8,465
10位日本7,816

参考:農林水産省[生産量と消費量で見る世界の米事情]

アジアの救った米の品種改良

世界の食糧問題の解決に向けて、重要な役割を担ってきたお米。

アジアで米の生産量がのびるきっかけとなったのは、1940年~60年代に進められた、世界的な農作物の新品種の開発と農業技術の革新です。

「緑の革命」と言われたこの時期では、高収量品種の導入や化学肥料の投入により、穀物の生産が大きく向上しました。

特に1966年にフィリピンのIRRI(国際稲研究所)において、草丈が低く倒れにくく、収量が多い「IR-8」という品種が開発され、インドやインドネシア、フィリピンなどで米の生産量がのび、食糧事情が改善。この品種は「奇跡の米」とも呼ばれまていました。

「ネリカ米」に期待するアフリカ

水が少なく、灌漑設備(かんがいせつび)の整わないアフリカでは「緑の革命」の成果はなく、多くの人が飢餓に苦しんでいました。

しかし、1994年にWARDA(西アフリカ稲開発協会)が、日本や中国の支援によって「ネリカ米」の開発に成功。

稲は「アジア米」と「アフリカ米」に大きく2種類に分けられますが、「ネリカ米」は、高収量のアジア稲を母親として、耐乾燥性・耐病虫性のあるアフリカ稲の花粉を掛け合わせた種間雑種から育成され、それぞれの長所を併せ持っています。